尋常じゃないことに気づこう
その人が選ぶ言葉と表現には、その人の「今」が出る。
https://www.sankei.com/economy/news/181213/ecn1812130031-n1.html
NTTの澤田純社長は産経新聞のインタビューに応じ、
日米政府が政府調達機器からの排除方針を示している
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)について、次のように答えている。
「個人データを抜かれているならば、そういう端末は売らない方がいい」
この言葉を、あなたはどのように捉えるだろうか?
個人データを抜かれている「ならば」、こういう表現を「仮定法」と言う。
この表現を読み下すと、
「(私はファーウェイの端末によって個人データが抜かれているかどうかは知らないが)
抜かれているなら、そういう端末は売らない方がいい」という意味になる。
なんとも他人事に聞こえる表現だ。
この問題が、
亡国の要因にもなるという危機意識が、全く無いように見受けられる。
総務省がHPで発表している携帯キャリア販売大手三社の内、
販売数1位はNTTドコモで44.1%を占めている(2位はauで28.1%)。
通信機器を販売している「最大手」のNTTドコモの、親会社であるNTTのトップが、
「私は、ファーウェイの端末が、そういう機器なのかどうか知らない」と答えている。
「仮定法」は、一般論を言う時に使う表現である。
社長はこの問題を「私たちの事として」「日本国の事として」「国際問題として」
捉えてはいないことがわかる。
シェア1位の親会社の社長が、亡国の要因にすら成り得るこの問題に対して
「一般論で答えることの危機感の無さ」を、インタビューした記者は
少なくとも、記事上では指摘していない。
危機感を持たない企業のトップに、
危機感を持たない記者がインタビューしたとしても、
読者はその記事の行間から、今日本はどうなっているのか、
世界はどうなっているのかを、読み解けるようにならないといけない。
あなたはどのように考えるだろうか?