吉田輝星選手、試合に負けて「おめでとう!」
平成最後の、夏の高校野球大会が終わった。
結果はご存知の通り、強豪の大阪・桐蔭高校が春夏連覇で有終の美を飾った。
準優勝は秋田の金足農業高校で、
東北に初めての優勝旗がもたらされることを、多くの人が期待した。
結果は、13−2の惨敗だった。
惨敗というのは、結果だけ見ればということだ。
結果は、結果にしか過ぎない。
それ自体に意味があるわけではない。
全てに於いて、「過程が重要」なのだ。
彼らが、如何なる野球道を歩んできたのか。
そして、これからどんな道を歩んでいくのか。
それが重要なのだ。
日本中から注目されたエース吉田投手のことを考えると、
「ここで負けてよかった」と思う。
このひとは、神から愛されているのだと思う。
神が、「最高のひのき舞台で、負ける体験をさせてくれた」のだと思う。
どれほど、辛かったことだろう。
どんなにか、自分の事が情けなかったことだろう。
でも、もしも彼があの大舞台で勝っていたら、天狗になっていたかもしれない。
周囲からもみくちゃにされて、
思いもしなかったような辛い人生が待っていたかもしれない。
かつての青森・水沢高校の太田幸司投手や、栃木・作新学院の江川卓投手のように。
メディアは紙面や画面を埋めるために「ヒーロー」を必要としている。
世の中のひとも、自分のぽっかり空いた心の穴を埋めるために、
「ヒーロー」を求める。
そして創りだした「ヒーロー」を、時折「ヒール」に変えてしまう。
ひとの世は残酷だ。
今大会では、真っ黒に日焼けした肌に生える真っ白い歯と、
(食いしばりから歯を守る為のマウスピースらしい)
爽やかな笑顔が印象的な、
最速150kmの直球を武器とする吉田輝星投手が、一番人気の「ヒーロー」だった。
強豪・桐蔭学院に勝っていたら、判官びいきの日本人は狂喜乱舞したことだろうし、
マスコミは、学校どころか、彼の家にまで押しかけて、
18歳の青年の心に深い傷を負わせたであろうことは、火を見るより明らかだ。
「暴力的な目に晒される」ことから、ご守護体は彼を守る選択をしたのであろう。
ということは、彼の野球人生はこれからも続くということだ。
大会終了のサイレンを聞いた彼は、
甲子園のグランドで顔をグシャグシャにして泣いた。
その素直さが美しいと思う。
思い通りにならないことを体験した人間は強くなれる。
彼の本当の人生は、今始まったばかりだ。
youtube 音声をONにしてお聴きください
===================================
★陽の氣本舗 http://yohnoki.com 清麻はこちらで販売中
Categoriesの以前の書き込みをお読みになる場合は、一番下のページの最後にある
| PAGES | >>| Page top の>>をクリックしてください。前のページに移行します。