あなたの親切は・・・、
「自分がやられて嫌なことは、他の人にもしてはいけない。
自分がしてもらって嬉しいことを、他の人にもしてあげなさい」
こういうことを教えられたことはありませんか?
これは価値観というものをどうとらえているか、という根本的な問題ですが、
私はこの考え方は間違いだと思います。
「自分がやられて嫌なことは、他の人も嫌だろう」というのは、
おおむね正しいといえるかもしれません(全てがそうではないでしょうが)。
ですから、他の人にもやらない。これは何となく理解できますね。
ですが、「自分がやられて嬉しいことは、他の人も喜んでくれるでしょうか」
ここに疑問を持たなくてはなりません。
価値観は人それぞれです。
あなたが喜びとすることは、必ずしも他の人の喜びとは言えません。
あなたは、プレゼントを頂くと嬉しいとしましょう。
果たしてすべての人がそうでしょうか?
プレゼントを頂くことに負担を感じる人は、意外に多いのではないでしょうか。
しかも趣味の違うものを渡されたとしたら、
要らないものを押し付けられたように感じるかもしれません。
その上、日本の社会では、お返しのことも考えなければなりません。
時間が無いのに、どうしてこんな事で頭を悩まさなければならないのか・・・。
そう負担に思う人もいることでしょう。
帰り道、送ってほしい人もいれば、送ってほしくない人もいますね。
あなたが親切と思っていること。
果たしてそれは、誰かにとっても親切でしょうか?
「自分がやられて嫌なことは、他の人にもしてはいけない。
自分がしてもらって嬉しいことを、他の人にもしてあげなさい」
この言葉は正しいようでいて、実は間違った考えなのだと思います。
ですが、この言葉を知った時にあなたは、
「ああ、もっともだな」と思いませんでしたか?
正しくは、
「相手の人が欲していることをしてあげなさい。
相手の人が欲していないことは、してはいけません」です。
これを実行するためには、相手のことをよくよく知らなければなりません。
自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の価値観を受け入れるということです。
あなたは、自分の価値観通りにすることを、日々誰かに求めていないでしょうか?
あなたの価値観は、あなたが満足できて、あなたが安心できるルールのようなものですが、
それを求められた誰か、押し付けられた誰かは、
とても辛い思いをしているかもしれませんよ。
その相手の気持ちに、あなたは寄り添ったことがあるでしょうか?
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