明日23日は大祭・新嘗祭
明日23日、宮中と各神社で新嘗祭(にいなめのまつり)が行われます。
新嘗祭とは宮中祭祀のひとつで、
陛下が直々に執り行われる、大祭に位置付けられる重要な御祭(みまつり)です。
皇太子から天皇になった初めての年のこの御祭りは、
大嘗祭(おおにえのまつり)と言います。
新嘗祭は、陛下がその年に収穫された新穀などを天神地祇(てんじんちぎ)にお供えして、
御自ら感謝の奉告を行い、これらの供え物を神からの賜りものとして自らも食されます。
陛下ご自身も皇居でお米を育てられていらっしゃいますので、
このお米も一緒に奉幣(ほうへい)されます。
この祭祀までは、陛下は新米を口にされないと言われています。
神々様より前にお口にするなど、以ての外だからではないでしょうか。
神界には大変に厳しい「順と区別」があります。
それは侵してはならない決まり事です。
決まり事だからきちんと守る、と言う考え方はまだまだ幼稚で、
神々さまにお仕えするようになると、
自然に衷心から頭(こうべ)が垂れるようになりますから、
決まり事だから、ルールだからというそういう四角四面なことではありません。
「順と区別」を守るのは、ひととして極々自然な当たり前の行為です。
太古より人間は、収穫したものはまず神々様に奉じて、
それからお下がりを頂戴したものだと思います。
ですから世界中に「収穫祭」が残っています。
でもその祭りが、今は神々さまに感謝することが形骸化して、
「人間様のご苦労様会」になっているように感じられます。
「いままで大変だったから、パ〜っと盛り上がろうぜ!」と。
お互いに慰労するのは大切なことですが、
やはりその前に神々さまに御加護と御導きに感謝してからという
「順と区別」を忘れるような社会は、自ずと瓦解していくのではないでしょうか。
風も水も太陽も、全てが神々さまの御働きなのですから。
国を守る最高祭主である陛下が、この感謝を忘れてしまったら、
私たちは神様からの賜りものが頂けなくなって、飢えることになるでしょう。
過去、スメラミコト達も、飢饉が起こったり疫病が蔓延したりすると、
その原因を「自分の至らなさゆえである」と、
その災いを自分に課して、その怒りを鎮めてほしいと神々に祈っています。
私たちは、神々さまへの感謝の気持ちを日々忘れないようにすることと共に、
天皇という、日本を、そして世界を守護する祭主への感謝を、
忘れてはならないと思うのです。
新嘗祭は、明日11月23日に、宮中にある神嘉殿(しんかでん)にて執り行われます。