
条件をつけて子供と取引をしてはいけない
電車の中での、母と6歳くらいの男の子の会話
子が、身をくねらせながら言った。
「どこにいくの〜? ○○カメラにいくの〜」
母「ううん」
子「ね〜、どこにいくの〜」
母「静かにしないと、○○カメラも行かないわよ。静かにしてたら連れて行ってあげる。」
〜〜しないと、〜〜しない。
〜〜したら、〜〜してあげる。
あなたは、子供に対してこんなことを言っていないだろうか?
こういう言い方をされて育った子は、常に、自分の行動の見返りを求めるようになる。
生き方の基礎が、「見返りがあるならやる。無いならやらない」ということになる。
損得でしか物事を計れなくなり、
自分に見返りを与えてくれない人を疎ましく思うようになる。
この母親は、自分の子をこの様に教育していることに、気づいていないことだろう。
近い将来、この母子には「軋轢が生まれる」ことになる。
今は幼子にとって、母親は絶対的な存在だ。
だがやがて、自己を確立する為の反抗期が訪れる。
そして二度目の反抗期である中学生になった頃には、
自分を支配し、このようにコントロールしようとした母とは口を利かなくなる。
その時母親は言うかもしれない。
「昔は良い子だったのに」
そうさせたのが自分だということにも気づかずに。
子供と、如何なる場合でも「取引」をしてはいけない。
それは教育でも躾でもない。
子供をコントロールするための方便に過ぎない。
それはやがて、お互いの将来に影を落とす要因となってしまう。
まず第一に、
出かける前にどこに行くのかも、子供に説明しないような母親であってはならない。
子供は、親の所有物ではないのだから。
